1 |
どのように 悲しい日にも
どのように 苦しい夜も
私は黙って 耐えてきた
歯をくいしばり
だまって だまって
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4 |
けれども もはや
私は黙っていられない
山の石のように
黙ってはいられない
異国の足が 私の古傷
踏みにぢるとき
おそりしいたたかいを
呼びまねくとき
山の石がさけぶように
私もさけぶ
ただ一つの言葉を
■ふるさとに たたかいゆるさじ
■たたかい ゆるさじ
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2 |
だが【だが】くる日も くる日も
ひとしれず 私は涙を流した
夜のように暗い涙【暗い涙】
やつれた子を 胸にいだきしめ
夜のように暗い涙を
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3 |
呪いの日
たたかいは夫をうばい
ヒロシマの炎は
父と母をやく
私の目には笑いなく
私の花は しおれてしまった
あゝ ぶべつの日
くる日も くる日も
背をまげ ひたいを伏せ
私ははたらいた
一握りの米
一束の青菜のために
ただ いちし子に幸あれと
私はだまって 耐えて来た
山の石のように
歯をくいしばり じっとだまって |
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