■タ宴
題名は「将校ワルッ」という。すでにこの曲は紹介ずみだが、つぎの様な理由で本書の方ででも別な内容で紹介するこどにした。
「将校ワルツ」という題名はソ連の市民の間ではあまり好まれていない。むしろ一般にはこの変った方の歌詞で歌われているし、曲そのものからいっても「夕宴」という題と、その歌詞にピッタリくるので、私の希望も「将校ワルツ」でなしに歌っていただく方が好ましい。その意味であえて載せることにした。
夕べのうたげの斎らす情熱的な雰囲気に酔った若い男女の、これは異常に高潮した場面を歌ったものだが、確かにメロディーはそれにふさわしい艶をもっている。
この曲を私がきいたのは1945年の12月頃で、奏者はペトロフというトランペット吹きである。歌詞も彼が覚えていて書いてくれたが、それを私が理解できたのはずっとのちのことである。 |
1960/01/28 百瀬三郎【島村喬】 |
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