母さんの手のひら 【Bb】

作詞
作曲
林   学
1: 母さんの手のひらに
私の手のひらを
重ねてみる度に
胸が熱くなる
●やわらかな白い手
●どこに忘れたの
●お前の手の中に
●あずけてあるんだよ
■あたたかく握りしめる
■母さんの手のひら

3: 今日もまた朝早く
働いてるのね
エプロン姿の歌で
目が覚める
●青い空 白い雲
●母さんの笑顔
●もうすぐ春だよね
●お前にも春がくる
■さわやかに背伸びする
■母さんの朝です

2: 母さんの小さな
背中が丸くなる
重なる苦労に
耐えて生きてきた
●体に気をつけて
●無理をしないでね
●みんなが笑顔で
●暮らせる日はくるよ
■それまでは働くと
■母さんはほほえむ




新おけら歌集(03/05/17-18/01/31) / ばばさまレクイエム(03/4/16)
楽譜:ビーさん(2004/09) 

■1981年の作品。作者が職務中の事故で大怪我を負うつらい時期に作った曲。線労働者の思いをうたって未完成だった「母さんの手」も、この曲の創作の伏線となっている。

■♪〜やわらかな白い手 どこに忘れたの…。林学が作曲家に専念する前、職務中の事故で大けがを負う辛い時期に作った歌。
 林学は平和なデモ行進が騒乱罪にデッチ上げられた大須事件の被告の一人。名古屋青年合唱団員として創作等に携わりながら、26年もの長期裁判の上に最高裁で有罪確定(1978年9月)。被告団専従の生活を終え、40歳台半ばにしてビルエ事現場の重労働に就き鉄材が左足に落下して自宅療養。次の仕事は月の半分が夜勤の町工場だった。
 冬のすきま風に吹かれ、若い頃の事故が元で動かぬ手首を見つめ気を紛らそうとしたその時、瑞穂短大合唱団の創作依頼を思い出した。苦労するたくさんの母親を思いながら油汚れの作業日報紙の裏を使って創作し、完成と同時に闘志も湧いたと述懐している。
うた新「歌の小箱」149(**/**/**)