玄関で【Gm】

詞曲
訳詞
ロシア歌曲
島村 喬


いつもふたりが 顔を合わす
玄関で今日も 朝のあいさつ
「こんにちわ」 夜がくると
■待ちかねて 君と熱いくちずけ

花も家も町も みんな
そして君の 美しいひとみも
僕らのもの 陽がな<とも
■君のあたたかき 頬だけあれば

ふたりだけの 人生です
もしふたりに いのちかけることが
あればいつも どこまでも
■私は貴男のあとに ついていく


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新おけら歌集(10/10/10-12/25)ロシアの詩 / 楽譜:ビーさん(10/12)
■玄関で
 この歌を私がきいたのは1955年の10月で、場所はハバロフスク。父親が市の政治部に勤めている少佐で、その娘は17歳位の可愛い顔をしていた。アコーデオンがうまくて、よくこの「玄関で」をきかきれたものだ。
 非常によく街で流行していたし、モスクワからも放送されきたのを2・3度聞いたことがある。採譜は、そうした際にしたのだが、残念ながら、作曲者作詞者ともに調査する暇がなかった。ソ連からの帰還者で、知っている方がいたら是非おしえて項きたい。この曲の特徴はまず第一小節から五小節まてだ。ここにはA・N・アラビエフの「夜鶯」の終奏部全七小節のうち、あとの四小節の部分を使っているからだが、第八小節目から、非常にユニークなメロディーになって、いきいきとしてくる。
 玄関で、いつもこの二人の若い男女は、朝別れる際、自分らの再確認をやる、というのか歌詞の内容で、二人の恋は全ソのあらゆるものから祝福されている、といった、英雄的恋愛であるが、あまり政治の臭いがするのでそのどぎつさを割愛した。
1960/01/28 百瀬三郎【島村喬】