故郷の空の下で【C】

作詞
作曲
美輪 明宏


故郷の故郷の 駅に降り立ちただ一人
迎える人も無いままに
静かな町をコツコツと 歩けば涙あふれ出る
  幾年(いくとせ)前か 忘れたが
  あの原爆の火の中を 逃げて走った思い出が
  いまさらながらに 甦(よみが)
■平和な頃には家中(うちじゅう)で遊んだ丘も ここあたり
■皆(みんな)の名前 呼んでみよう オーイ オーイ

傷ついて傷ついて 別れた別れた親や子が
眠っているのか 安らかに
空を指差す慰霊塔 拝めば胸もこみ上げる
  父さん母さん 兄さんも きっとここだろ 一緒だろ
  みなさん僕は来ましたよ こんなに大きくなりました
■身体に火傷もあるけれど 心に傷は無いはずだ
■空を見上げて 胸を張ろ オーイ オーイ

(な)きながら哭きながら 飢えていた幼い僕たちの
あの焼け跡も もう今は
きれいな店が並んでる 可愛い子どもが遊んでる
  悪い暮らしも してきたが 今は立派に 東京の
  小さいながらも工場で 明るく働く身体です
■この長崎の蒼い海 この長崎の蒼い空が
■いつも励ましてくれたんだ

●この故郷の この大地 僕はしっかり踏みしめて
●強くこの世を生きるんだ オーイ オーイ



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新おけら歌集(07/04/25) 矢沢うたごえ歌集/ 楽譜:ビーさん(07/05)
■美輪明宏は戦争反対を一貫して歌い続けているシャンソン歌手の一人だが、長崎生まれの彼は自身被曝体験があり、それがこの歌の出発点となっている。20年近くも歌われ続けているものだが、いまだにその感動は新鮮である。
1997年3月 矢沢 寛′