1 |
人みな花に 酔うときも
残雪恋し 山に入り
■涙を流す 山男
■雪解(ゆきげ)の水に春を知る
|
6 |
深山紅葉に 初時雨
暮雨滝(くらぞめたき)の 水音を
■佇み聞くは 山男
■もののあわれを 知る頃ぞ
|
2 |
みやまきりしま 咲き誇り
山紅に大船の
■峰を仰ぎて山男
■花の情けを知る者ぞ
|
7 |
町の乙女等 思いつつ
尾根の処女雪蹴立てつつ
■久住(くじゅう)に立つや山男
■浩然の気は 言いがたし
|
3 |
四面山なる坊がつる
夏はキャンプの火を囲み
■夜空を仰ぐ山男
■無我を悟るはこの時ぞ
|
8 |
白銀の峰 思いつつ
今宵湯宿に 身を寄せつ
■斗志に燃ゆる 山男
■夢に九重(くじゅう)の雪を蹴る
|
4 |
出湯の窓に 夜霧来て
せせらぎに寝る 山宿に
■一夜を憩う 山男
■星を仰ぎて 明日を待つ
|
9 |
三俣の尾根に 霧飛びて
平治(ひじ)に厚き 雲は来ぬ
■峰を仰ぎて 山男
■今草原の 草に伏す
|
5 |
石楠花谷の 三俣(みまた)山
花を散らしつ 篠(しの)分けて
■湯沢に下る 山男
■メランコリーを 知るや君 |
|
|