お山の杉の子【F】

作詞
作曲
吉田テフ子
佐々木すぐる

むかしむかしの そのむかし
椎の木林の すぐそばに
小さなお山が
あったとさ あったとさ
丸まる坊主の 禿山は
いつでもみんなの 笑いもの
「これこれ杉の子起きなさい」
■お日さまニコニコ
■声かけた 声かけた

ラジオ体操 ほがらかに
子供は元気に のびてゆく
昔むかしの
禿山は 禿山は
今では立派な 杉山だ
誰でも感心するような
強く 大きく 逞しく
■椎の木見下ろす
■大杉だ 大杉だ

一二三四(ひい・ふう・みい・よう)
五六七(いぃ・むう・なぁ)
八日(ようか)九日(ここのか)
十日(とおか)たち
にょっきり芽が出る
山の上 山の上
小さな杉の子顔出して
「はいはいお陽さま今日は」
これを眺(なが)めた椎の木は
■あっははのあっははと
■大笑い 大笑い

大きな杉は 何になる
お舟の帆柱 梯子段
とんとん大工さん
たてる家 たてる家
本箱 お机 下駄 足駄
おいしい弁当 食べる箸
鉛筆 筆入 そのほかに
■たのしや まだまだ
■役に立つ 役に立つ

「こんなチビ助 何になる」
びっくり仰天 杉の子は
おもわずお首を
ひっこめた ひっこめた
ひっこめながらも 考えた
「何の負けるか いまにみろ」
大きくなって 皆のため
■お役に立って
■みせまする みせまする
さあさ負けるな 杉の木に
すくすく伸びろよ みな伸びろ
スポーツわすれず
頑張って 頑張って
すべてに立派な 人となり
正しい生活 ひとすじに
明るい楽しい このお国
■わが日本を
■作りましょう 作りましょう




新おけら歌集(12/10/09) / 楽譜:ビーさん(12/12-13/06)

■昭和19年、第二次世界大戦の末期に小国民文化協会が行った少国民歌の懸賞募集の第1位入賞歌」であり、「作詞は、徳島県の吉田テフ子(ちょうこ)という人で、サトウハチローが補作している。