いぬふぐり 【G】

作詞
作曲
すずきみちこ

1: 丘は今も柴山
イヌフグリも咲いている
■息をはずませて登った
■くにさんと一緒に登った

4: 麦のノゲを払いながら登る
シパシパするなと言ってみる
■だけどくにさんは死んだ
■たくさんの人が死んだ

2: お茶の子のむすびを持って
二人呼び合いながら登った
■ ももひきの小さな足を
■乾草の匂いが乾した

5: イヌフグリを忘れない
くにさんを忘れないずっと
■戦争の悲しさを忘れない
■戦争が起こらんようにする

3: くにさんは戦争に行った
イヌフグリを放りつけて行った
■手紙も届かぬ遠くで
■口もきかずに死んだ




おけら歌集(01/05/31) / コロポcheck(03/07/21)
楽譜:ビーさん(2004/09)

■1950年、朝鮮戦争が勃発。戦争反対を今こそ表明しなければと作られた曲。全員が作詞作曲に取り組んでいた「東大音感合唱団」の学園祭演奏曲として披露され、全国に広がった曲。

■♪〜丘は今も柴山…。1950年、朝鮮戦争が勃発し、参戦した米軍の基地がある日本で、今こそ戦争反対の表明を!と作られた。東大音感台唱研究会トニカ合唱団が学園祭で演奏し、全国に広がった歌。
 同団団員だったすずきみちこは終戦を小学2年の千葉県木更津市で迎えた。戦中は「子ども民兵」として軍馬の肥料となる干し草作りに従事し、草を刈る草原一面に淡紅紫色のいぬふぐりが咲いていた。また、実家の奉公人を含め勇ましく出征した若者たちが、実は飢えで死んだことを知った時は幼心にショックだったという。
 朝鮮戦争が始まると米軍基地がある木更津に戦闘帰りの米兵がたむろし町を荒らすのを見て創作に着手。
 ♪〜戦争が起こらんようにする…の5番は合唱団でのかなりの討論の末歌われた。
うた新「歌の小箱」143(**/**/**)