昔、ケガズ(飢饉)になれば、どこの家でもワラビを堀りに行ったものです。 その当時の沢辺(岩崎村)には、どこへ行ってもワラビがた<山ありました。特に切明の池あたりが産地で、葉が枯れた秋のほうが、根に養分がたっぷり入っています。 まず、ワラビのた<山あるところへ行ってモックリ(芝生)を取り去り、それからワラビの根を掘り出します。その根を川できれいに洗い、大きなキッチ(飼い葉おけ)に入れ、かけや(大きな槌)ではだぐ(叩き潰す)のです。 ていねいにはだいだ後、水でしぼり、一晩いげらして(浸して)おくと、次の朝には、いものハナ(デンプン)と同じようなものができるので、今度はそれをなべに入れこねるのです。そうすると、いくらふむしても(千切る)切れないもちができます。 ワラビもちは、焼いたり、煮たり、ふかしたりして食べますが、よ<きなこをつけて食べたものです。
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