今の大間越集落の関所跡へ登る坂の入口に、庚申様という大きな石が立っています。 この石は、昔もっと上の稲荷様のほうにありましたが、神社の手洗い石にしようと、むら総出で下へ運ぷことにしました。ところが途中までは引っぱってきたのですが、その後、石は動かな<なりました。むらの人達はどうしようもなくそのままにして帰ってしまいました。 ある家のばあさんは、身体が弱<てぷらぷらしていたのですが、エンドウマメがどうしても食べた<なり、関所のところにある畑へ出かけました。途中、置きざりにしていた石の近くを通ったら、たばこの胴乱(どうらん)が落ちていたので、拾って中を見たら銀のキセル(煙管)が入っていました。 そのときばあさんは、石を下へ持ってきて祭ってくれという夢を見たことを思い出しました。 子ども達に頼んで石を押してもらったら、大勢の大人のカでも駄目だった石が簡単に動き、下へ持ってくることができました。石を祭るといってもお金がありませんでしたが、幸い銀のキセルを買って<れる人がいましたので、そのお金を持って木連寺(大間越)の石屋へ頼みにいきました。石屋の親父(おやじ)は、酒買って飲む分あればよいと、快<引き受けてくれました。 今は一か月おきの庚申の日、庚申様として大間越の人達に祭られています。 |
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