■引退までの経緯■ |
4月1日、大相撲八百長問題に関する相撲協会臨時理事会の結果、引退勧告を受けた。訴訟を起こす考えもあったが「師匠に迷惑をかけられない」と4月4日に引退届けを提出し、受理された。
断髪式は5月29日に両国国技館の土俵上で行われた。八百長問題で引退した力士が断髪式で国技館の土俵を使用したのは彼が2人目(前日に春日王が国技館の土俵上で行っている)。 |
■元安壮富士が断髪式■東奥日報(2011/05/30付) |
大相撲の八百長問題への関与を認定され引退した元幕内安壮富士(35)=本名杉野森清寿、深浦町出身、伊勢ケ浜部屋=が29日、東京・両国国技館で断髪式を行った。
地元後援会長の吉田満深浦町長、弟の安美錦関、横綱白鵬関ら260人が出席し、大銀杏(おおいちょう)にはさみを入れた。最後に伊勢ケ浜親方(元横綱.旭冨士)の止めぱさみでまげ別れを告げると、杉野森さんの目から大粒の涙がこぼれた。
杉野森さんは取材に対し、八百長関与について「どうしてこうなったのか。納得していない」と、あらためて否定した上で「まげを落とした今となってはもう何を言ってもしょうがない」と語った。今後はコーチとして同部屋に残り、後進の指導に当たるという。 1994年に初土俵を踏み、2006年に新入幕。最高位は前頭13枚目。 (阿部泰起) |
■初心に帰り通算400勝■東奥日報(2008/05/21付) |
「○安壮富士-北勝国●」 安壮富士が通算400勝を達成した。幕下の北勝国に対し、まわしにこだわらず押しに徹して積極的に前へ出て「入門したころの相撲だった」と初心に帰った様子。7敗と十両残留に厳しい状況は変わりないが、「気持ち一つで相撲って変わる。次も頑張ります」と力を込めた。
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■青森勢初の兄弟現役幕内■東奥日報「夕刊1面」(2006/10/30付) |
大相撲九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)の番付が30日午前、発表された。深浦町主神の安美錦(28)が新小結に昇進。兄の安壮富士((30)も新入幕を果たし、兄弟での幕内力士が誕生した。日本相撲協会によると、兄弟幕内は史上9組目。青森県出身の兄弟力士がともに現役で幕内に昇進・在位するのは初めて。
●安美錦談 |
●安壮富士談 |
昇進は意識していなかった。三役に上がれなくても先場所のように取れればと思っていた。
どんどん前に出る相撲を取りたい。 |
今朝、番付を見て、四股名の文字が大きくなって幕内に上がったと思った。
右のまわしを取って、とにかく早い相撲を心がけたい。 |
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■兄弟で胸あわせ、調整!■東奥日報「あすなろ桟敷」(2006/07/08付) |
新入幕に再挑戦する安壮富士と新三役を目指す安美錦。兄弟にとって名古屋場は、目標達成への重要な足掛かりとなる。二人とも体調面に少し不安を抱えるが、姿勢は前向きだ。前半戦を白星先行で折リ返し波に乗りたい。
二人は7日、名古屋市西区の安治川部屋で軽めの調整。本場所でつける締め込みを体に慣ろした後、けいこ用の白まわしに締め替えて若い衆に胸を出したリ、兄弟で相撲を取った。首に違和感があるという安壮富士だが、「出げいこに行ったリ、(同じ部屋の幕内力士)安馬と相撲を取るなど、それなリのけいこをしてきた」と意欲的。風邪気昧の安美錦は今場所、前頭西7枚目に番付を下げ「4枚も落としたから、勝たなきゃいけない」と巻き返しを誓う。
この日は、けいこ後に寄宿先の伊奴神社で安治川部屋の祈願祭が行われた。師匠の安治川親方(元横綱旭富土)に続いて、安美錦と安壮富土が玉ぐしをささげ、無事に千秋楽を迎えられるよう願った。
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■勝ち越しに驚く(幕下西14枚目 安壮富士)■東奥日報「あすなろ桟敷」(2004/05/17付) |
立ち合い、すぐに得意の右前みつを掴むと、出し投げで崩して頭をつけた。体重が約50kgも重い相手を寄り切ることはできなかったが、最後は右下手出し投げが鮮やかに決まった。
土付かずの4連勝で勝ち越しを決めた安壮富士(28)=本命杉野森清寿、深浦町出身。しかし、「今場所はぜんぜん、勝ち越せるとは思ってなかった」と、目を丸くした。というのも、先場所後の4月9日に「右肘の骨膜」の除去する手術に踏み切り、今月3日にようやく稽古を再会していたからだ。
日に日に相撲内容もよくなっており、このまま勢いに乗って7勝全勝すれば、一気に十両に復帰できるが、「今場所は、もう十分」と、無欲を強調した。 |