國産の歌(G)
尋常小學読本唱歌(第六學年)/明治43年

作詞
作曲
作詞不詳


我が大日本帝国の 古き六十八國に
沖縄諸島合せてぞ 府は三つ県は四十三
北海道の一庁と 外(ほか)に南北新領土
朝鮮新たに加わりて
  ■天産多き うまし國
尋常読本唱歌(明治43) 尋常小学(大正02)
四方(よも)の海の底広く 魚介さまざま海草の
無限の富を蔵したり また森林は全國の
山野おほわぬ処(ところ)なく 殊に名高き木曾吉野
樺太台湾太古より
  ■きこりの入(い)らぬ 林あり

三池夕張大の浦 掘れど炭礦限りなく
東に小坂西別子 足尾合わせて三山は
銅の産額おびただし 古く知らるる佐渡生野
その他無数の礦坑は
  ■山をうがちて 山を鋳(い)

米と麦とは全國に 製茶は静岡三重京都
農業収入何あれど 小さき虫の吐出(はきいだ)
生糸は無二の輸出品 養蚕業の盛大は
長野埼玉さて群馬
  ■海なき県に 著し

絹織物の産地には 京都西陣始めとし
群馬の桐生伊勢崎も 古くその名を知られたり
近年とみに産額の 増大せしは北陸の
福井石川富山なる
  ■羽二重織りの 輸出品

焼物類は瀬戸九谷 有田清水(きよみづ)薩摩焼
漆器は静岡輪島塗 黒江高岡会津塗
世界無比なる七宝の 名は海外にとどろけり
とぎ出し蒔絵の精巧も
  ■我が工業の ほこりにて

中國筋の花筵(むしろ) 紡績糸と燐寸(まっち)とは
輸出年々増すばかり 千里比隣の今の世は
有無(ゆうむ)互に相通じ 世界各國皆市場
いよいよ産業励みつつ
  ■國の富をば 増やせかし



歌詞:08/04/08/midi:10/03/24/楽譜:bunbun(2017/01/05)おけらの唱歌