シロチドリの昔語り 【Am】
+神野和博作品集+

作詞
作曲
永井和子
神野和博

●ちろろちろろシロチドリ
●昔語りを鳴き交わす
おばあのころにはいちめんの
干潟の海であったそうな
潮の香りに虹が立ち
神世の景色であったそうな
(かな)しい景色に魅せられて
■おじいが買った砂州(さす)の土地
■ふたりの家を建てたそうな

●ちろろちろろシロチドリ
●昔語りを鳴き交わす
人の欲からすこしずつ
干潟の海は埋められて
海は陸(おか)から離れゆき
神世の景色も消えたそうな
(かな)しい景色も売られゆき
■おじいもおばあも年老いて
■ふたりの家も消えたそうな

●ちろろちろろシロチドリ
●昔語りを鳴き交わす
おじいの話はいちめんの
サンゴの白い砂の道
砂洲の朝夕 潮満ち干
竜宮城かと見えたそうな
夢の景色に魅せられて
■おばあと暮らす砂洲の家
■ふたりで塩を採ったそうな
●ちろろちろろシロチドリ
●昔語りを鳴き交わす
いまもおなじよ大切な
干潟の海を埋めるそうな
潮の満ち干のふしぎさを
守るいのちも絶やすそうな
(かな)しい景色を打ち壊し
■おじいとおばあの思い出も
■やがては海に消えるそうな

●ちろろちろろ シロチドリ
●昔語りを鳴き交わす
▲人の愚かさ鳴き交わす




新おけら歌集(06/01/24) / 楽譜:ビーさん(05/09)